書籍名 | パンとスープとネコ日和 (ハルキ文庫 む 2-4) [文庫] |
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出版社 | 角川春樹事務所 |
ISBN-10 | 4758437629 |
ISBN-13 | 978-4758437622 |
発売日 | 2013/07/13 |
商品サイズ | 5.2×10.6×1.4cm |
価格 | 540 |
かもめ食堂が好きだったのでこれも買ってみました。かもめ食堂は海外のお話しですが、これは国内の話で主人公の自分の年齢が同じくらいということもあり、リアルに迫ってくる内容でした。母親のこととか、自分の今後のこととか、中年以降になってくるとしんどいことが増えてきますが、特に意味をかんじられない日常でも、生き続けていくことで見えるもの、得られるものがあるんだなと感じました。お店に通ってくるお客さんたちに向けられている目が温かくもあり、厳しくもあり、妙にリアルでそこはさすが群さんの作品だなと思いましたね。情緒に流され過ぎてないところがいいです。私自身は大のイヌ好きで、将来田舎の一軒家に帰ってイヌを飼おうと持っていますので、アキコさんがたろに与える愛情やいなくなった後の描写には胸が痛くなりました。命ってこうやって続いていくんだなと思い、中年以降は好きなように生きていきたいと、改めて思わせてくれた一冊でした。
長年勤めていた勤務先である出版社を辞めて、突然亡くなった母親の後を引き継ぎ食堂を切り盛りしていくアキコ。これはそんなアキコと店の手伝いをしてくれているしまちゃん、そしてネコのたろが織りなす日常の物語です。店のメニューは替わりのサンドイッチ・スープ・サラダ・フルーツのみですが、安心できる食材を使って手間暇かけて美味しいものを提供するのがアキコのこだわりです。かもめ食堂の群ようこさん作で、ほっこりするなかにもインパクトのある内容になっています。こだわりインテリアのお店や、ネコが好きな方ならきっと大好きになる一冊。そうでなくても、毎日の生活にちょっと疲れて立ち止まってみたい方、忙しい日々に疑問を感じている方々、居心地のいい場所が見つからないと思っている方々、ちょっとだけ生きづらさを感じている現代に生きるそんなすべての方々にお送りする、心が温まって、泣けて、考えさせられて、また明日からも生きていこうと思わせてくれる一冊です。