書籍名 | 内の装い―素材とインテリア (村野藤吾のデザイン・エッセンス) |
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出版社 | 建築資料研究社 |
ISBN-10 | 4874606369 |
ISBN-13 | 978-4874606360 |
発売日 | 2000/08 |
商品サイズ | 5.8×18.2×1cm |
価格 | 2940 |
建造物の美しさは外観だけでなく、内装にもこだわって作られていることで成り立っています。この本は、建築家の村野藤吾氏の歴史観や風土観を捉えつつ、内部空間の光と影のコントラストや、建築のデザインの可能性を、色々な角度から見つめ直して作られた幻想的で神秘的で斬新な建造物の内装インテリアを紹介した一冊です。村野藤吾氏という名前は知らなくても、村野藤吾氏の建造物は知っている、見たことがある、聞いたことがある素敵な建造物ばかり。祈りの空間演出の内装として、世界平和記念聖堂や宝塚カトリック教会、日本ルーテル神学大学や西宮トラピスト修道院などの宗教施設を、集いの空間の内装として、読売会館や日生劇場、近映会館や大阪新歌舞伎座、川崎製鉄所西山記念会館や宇部渡辺翁記念館、横浜市庁舎や尼崎市庁舎などの劇場や議場を、公共の空間の内装として、宝塚市庁舎や大庄村役場などの公共施設、鑑賞の空間の内装として、八ヶ岳美術館や小諸市立敬三美術館などの美術館、営みの空間の内装として、心斎橋プランタンや戒橋プランタン、箱根樹木園や出光興産本社、千代田生命本社ビルや日本興業銀行本店、輸出繊維会館やそごう百貨店などの商業施設、住まう空間の内装として、法隆寺の家や高知県知事公邸などの住宅を実例写真で紹介しています。村野藤吾氏の手作り感にこだわって創り上げられた作品たちは、メッセージ性が高いものが多く、見た人それぞれの視感に何か訴えかける内装インテリアの存在に圧倒されます。もしかして、村野藤吾氏の入魂作品が、自分自身の天寿の終極をすでにどこかで予感していたかもしれないような建造物に、一種の建築的な遺言と呼べるようなデザインの作品が、魅惑的な建造物を作り上げることにつながっているのかもしれません。この本で、村野藤吾氏のインテリア・デザインの特殊な手法の考察を念頭におきながら、建造物を見るのも新たな発見が見つかって楽しいかもしれません。